ネイリストとしての成長記録ネイリストのライフスタイルネイリストの視点から見る特集

ベテランネイリストがさらに成長する「聞く力」

ネイリストの仕事 福岡

P1:ベテランネイリストほど気づきにくい“思考のかたより”

福岡のネイルサロンでもよく見かけるのが、「長年ネイリストを続けている人ほど、技術や接客に自信はあるのに、なぜか伸び悩んでしまっている」というケースです。実はそれ、悪いことではありません。それだけ積み上げてきたという証拠。ただ──気づかないうちに“思考のクセ”が強くなりすぎてしまっているのかもしれません。

たとえば、「このアートは派手すぎて福岡のお客様にはウケない」「この年代の人にはシンプルネイルが無難」──こんな“決めつけ”をしたこと、ありませんか?それは本当に経験からくる判断でしょうか? それとも、いつの間にかアップデートされなくなった“思い込み”かもしれません。

ネイルの技術もトレンドも、年々変化しています。SNSで見かけた新しいデザインを、お客様から「これできますか?」と聞かれたとき、即座に「難しいですね」と答えてしまったなら、それはチャンスを逃しているかもしれません。

参考記事:クーポン頼りの時代は終わった?接客重視のネイルサロンが選ばれる理由

P2:聞くことで見えてくる「新しい気づき」

ある日、福岡のネイルサロンで働くスタッフ同士の会話の中で、入社1年目のネイリストが何気なくつぶやいた一言がありました。

「最近、インスタで”韓国風ニュアンスネイル”ってすごく見かけますよね。10代20代だけじゃなくて、意外と40代の方にも人気が出てきてるらしくて…」

その場にいたベテランネイリストは一瞬戸惑いながらも、「えっ、そうなの?」と反応しました。というのも、彼女の中には「40代以上=シンプル志向」大人らしいデザインという固定観念があったからです。でも、あとでその言葉がふと気になり、試しにそのデザインを取り入れたところ、驚くほど反応が良かったといいます。

このように、自分の中で「常識」だと思っていたことが、実はもう通用しなくなっていた──そんな場面は、実際のネイルサロンでたくさん起きています。

お客様のニーズは年齢や職業だけでは測れません。むしろ、変化の早い今だからこそ、“目の前の声”をきちんと聞くことが重要です。そしてそれは、お客様に限らず、一緒に働く仲間や後輩からの言葉にも言えることです。

“聞く”という行為は、単に耳を傾けるだけではありません。「自分の考えにないものを受け入れる余白」を持つということでもあります。

参考記事:ネイリストの自営業はストレスフリー?現実は?

P3:信頼は、聞く姿勢から生まれる

「このネイリストさん、ちゃんと話を聞いてくれる」
お客様がそう感じたとき、その関係性は一段階深まります。ネイルは技術だけでなく、“会話”も大切なサービスの一部です。とくに福岡のような都市では、流行に敏感なお客様も多く、「ただの施術者」ではなく「自分のことを理解してくれる存在」として信頼されることが選ばれる理由になります。

一方で、経験を重ねるほど、「この人はこういうのが好き」「この話はきっと興味ないだろう」と、無意識に“判断”してしまうこともあります。でも、お客様は日々変化していますし、その日の気分によっても選ぶ色やデザインは変わるものです。

たとえば、いつもオフィス向けの控えめなカラーを選んでいた方が、「今日はちょっと遊んでみたい」と言ったとき、あなたはその気持ちをちゃんと拾えていますか?

あるいは、スタッフ同士でも「この人には言っても無駄」と思われてしまえば、意見やアイデアが出てこなくなり、サロン全体の空気が閉じていきます。小さなサロンほど、信頼関係が空気づくりに直結します。そして信頼は、まず“聞くこと”から始まるのです。

P4:「ネイル一筋」のその先へ――変わるきっかけは、いつも誰かの言葉

ネイルの仕事に誇りを持ち、コツコツと積み重ねてきた技術や経験。それは確かに、ネイリストとしての土台になります。ただ、長く続けるほど、「自分のスタイル」「自分の正解」が固まってきてしまうのも事実です。

でも、ふとした会話や、後輩の一言、お客様のつぶやきが、そんな固まりかけた思考をやわらかくしてくれることがあります。実際、福岡のあるネイルサロンで10年以上働いていたネイリストが、20代の若手スタッフの勧めでSNSにアートサンプルをアップするようになったところ、今までリーチできなかった層のお客様が来店するようになったという話もあります。

それまで「SNSは若い子がやるもの」と思い込んでいたそのネイリストは、「思い切って聞いてみてよかった」と笑っていました。

聞くことで、自分の中になかった選択肢が生まれます。
聞くことで、新しい価値観を受け入れる余裕が生まれます。
そしてその積み重ねが、自分の技術や接客をより“今の時代に合った形”に進化させてくれます。

ネイル一筋でがんばってきた人こそ、少し肩の力を抜いて、人の言葉に耳を傾けてみてください。そこに、自分では気づけなかった可能性が眠っていることも多いのです。

ネイリストの仕事 福岡

P5:変化を恐れず、しなやかに進むネイリストへ

福岡は、全国の中でもトレンドに敏感な土地柄です。都心ほど忙しすぎず、地方ほど保守的でもない。だからこそ、“新しさ”と“安心感”のバランスが求められる場所でもあります。

そんな中で、ネイリストという仕事はどんどん多様化しています。デザインや技術だけでなく、SNS発信、コミュニケーション力、そして働き方の選択肢まで広がりを見せるなか、「これまで通り」で生き残るのは簡単ではありません。

だからこそ必要なのが、「変化を受け入れる柔軟さ」です。
ただ、柔軟になるというのは、自分を否定することではありません。
むしろ、自分の“軸”を大事にしながら、外からの刺激をうまく取り込む力を持つこと。

ベテランネイリストであればあるほど、自分のやり方や考え方に自信があるはず。でも、時にはその自信が、変化の入り口をふさいでしまうこともあります。

たとえば、「福岡ではこういうのは流行らない」という思い込み。
「この年齢層はこういうネイルしか選ばない」という決めつけ。
それらは、いつの間にか“伸びしろ”を自分で閉じてしまっている状態かもしれません。

そんな時こそ、誰かの何気ない言葉に耳を傾けてみる。
後輩、お客様、他業種の人…そこにヒントがあるかもしれません。

変化にしなやかに対応できるネイリストは、お客様からも信頼されます。
そして、長く愛される存在になることができます。

ネイル一筋でやってきたあなただからこそ、その強さに“柔らかさ”が加われば、きっとこれからも長く、福岡の街で選ばれ続けるネイリストになれるはずです。

この記事を監修した人
ネイルサロン「福岡アンドネイル」代表/JNEC1級ネイリスト /ジェル検定上級/(JNA)ネイルサロン衛生管理士/(JNA)ネイルサロン技術管理者 /アメリカ政府認定 カリフォルニア州 マニキュアリスト ライセンス取得
YUNO


監修:田口裕子(通称 YUNO)
福岡アンドネイル 代表

ネイリスト協会 正会員番号(1-07636)
(「アンドネイル」は商標登録済|登録番号 第6611968号)

ネイリスト歴28年
サロン運営歴24年
ネイルスクール講師歴19年

厚生労働省 認可サロン(第1017033号/指定番号103号)、
日本ネイリスト協会 認定サロン(登録番号0723-001)を運営。

通称「YUNO先生」。福岡市内で複数のネイリストが在籍するサロンを経営し、現場経験を活かしてスタッフ育成・教育・業務委託契約・独立支援など、サロン運営全般を担当。求人や転職、開業を考えるネイリストに向けて、実務経験と業界知識に基づいた情報を監修しています。

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【商標情報】
商標名:アンドネイル(登録番号 第6611968号)
区分:第44類(爪の美容,美容)
区分:第41類(美容の教授,セミナーの企画・運営又は開催)
出願人:田口裕子
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