P1:なぜ、あの人が“先輩”なの?
― 教えられる立場から見た、ネイルサロンのリアルな空気 ―
福岡のネイルサロンに転職して数か月。やっとお店の流れやお客様の傾向にも慣れてきた頃、ふとした場面で心がざわつくことがあります。
「え?この人が私の指導係…?」
年齢は同じくらい、むしろ自分より少し若いかもしれない。ネイリスト歴も1年ちょっとと聞いた時、素直に「はい、わかりました」と言えない自分がいました。
もちろん、相手が悪いわけじゃない。むしろ明るくて、丁寧に教えてくれるし、サロンワークにも一生懸命。でも、なぜか心の奥でモヤモヤが残る。なんとなく指示を素直に受け取れない自分がいて、そんな態度を取ってしまう自分にもまた、自己嫌悪になる。
参考記事:オープニングネイルサロンに飛びつく人の成長できない理由
技術の話だけじゃない、心の中の葛藤
技術的にはまだまだ未熟なのはわかってる。だからこそ、教えてもらえるのはありがたい。でも、施術の手順や商材の知識よりも引っかかるのは、「その人が“教える立場”として自分の上にいる」ということに、うまく気持ちが整理できないこと。
「私はそんなにできていないのかな」
「比べられてるのかな」
「先輩らしく振る舞われるのが、少ししんどい」
そんな風に考えてしまう自分が、小さくて器が狭い気がして、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまうことも。
どこかで“認められたい”という気持ちがある
この世界に入る時、「ネイルが好き」「人を笑顔にしたい」と思って始めたはずなのに、今は誰かとの比較ばかりに気を取られてしまう日がある。
年齢もキャリアもほとんど変わらない中で、誰かが先に評価されているように見えると、「私は何が足りないんだろう」と落ち込んだり、焦ったり。
「もっと頑張らないと」「でも頑張ってもうまくいかない」そんな思いの繰り返しに疲れて、ふと、他のサロンや別の環境を探すことを考えてしまう。
参考記事:転職は成長に繋がるかも?でも怖くて一歩を踏み出せない
P2:転職したい。でもまた“年下から教わる立場”に戻るのが不安
今のサロンで感じるモヤモヤを言葉にするのは難しいけれど、正直、居心地が悪いと感じる瞬間は確かにある。
「このままずっとここで頑張っていけるんだろうか」
「なんとなく、違う気がする」
そう思いながらも、次の一歩がなかなか踏み出せない理由は、やっぱり転職後の“立場”に対する不安があるから。
また一から教わるの?年下に?
もし転職したら、今より少し若いスタッフから、またゼロから指導を受けることになるかもしれない。施術の進め方や接客のスタイル、カルテの書き方、在庫管理…ルールはサロンごとに違うし、当然、新人扱いされる。
それ自体は仕方のないことだと頭ではわかっている。でも、年齢的には自分の方が上だったり、ネイリスト歴も同じくらいだったりすると、どうしてもプライドが邪魔をする。
「下手に見られたくない」
「なんで私がこんなことまで言われなきゃいけないの?」
そんな思いが湧いてくるのではないか…そう想像するだけで、転職にブレーキがかかってしまう。
自信がなくなる“無言の比較”
福岡のようにネイリストの数が多く、若手の育成が進んでいる地域では、20代前半で教える立場になっているスタッフも少なくありません。
そんな環境に飛び込んだとき、「前のサロンでは〇年やってました」と言っても、年下のスタッフの方が要領よく、社内評価が高くて、気づけば自分だけが“遅れてるように見える”…そんな不安も現実的にあるでしょう。
でも本当は、技術やセンスだけでなく「人の気持ちがわかるネイリスト」こそが、お客様に長く愛される存在になるのです。だからこそ、この不安をただの劣等感に終わらせないことが大切です。
だから必要なのは「自分に合った転職先」
転職=ゼロに戻ること、ではありません。今まで積み上げてきた経験を、ちゃんと受け止めてくれるサロンは必ずあります。
たとえば【福岡アンドネイル】のように、スタッフの個性や成長のスピードを尊重する方針のサロンなら、「年齢」や「指導役としての立場」にこだわらず、対等な関係性の中で仕事ができます。
「もう一度、働く場所を選びなおしてもいいのかも」
そう思えたときが、新しいキャリアのはじまりかもしれません。
P3:転職で失うもの、そして得られるもの
転職を考えるとき、どうしても先に目についてしまうのは「失うもの」。
今のサロンで築いてきた人間関係、やっと慣れてきた仕事内容、勤務のペース、場所の便利さ、固定のお客様。どれも、すぐに手に入れられるものではありません。
「せっかくここまでやってきたのに、また最初から…」
そう思うと、簡単には決断できない気持ちになるのは当然です。
「辞める=逃げ」じゃない。守りたいものが変わっただけ
でも、その“失いたくないもの”は、本当に今の自分に必要なものでしょうか?
たとえば、「関係性が悪くはないけれど、心から話せる人がいない職場」や、「慣れてきたけど、いつも時間に追われて疲れてしまう働き方」。そういった状況に、無理にしがみついていないでしょうか?
転職するということは、ただ環境を変えるだけではありません。
自分が本当に大切にしたいものを、改めて選びなおすチャンスでもあるのです。
得られるものは「自分らしく働く選択肢」
勇気を出して転職すれば、きっとすぐにすべてが理想通りになるわけではないでしょう。でも、今よりも「自分らしくいられる」と感じる瞬間が少しずつ増えていく可能性はあります。
たとえば、
・評価よりも人間関係を大切にする職場
・個人のペースに合わせて育ててくれる教育スタイル
・無理のない予約枠で丁寧に施術できる仕組み
そういった働き方に出会えたとき、ネイルの仕事が「頑張るためのもの」から、「続けたいと思えるもの」に変わっていくのです。
福岡でも、こうした価値観を大事にするネイルサロンは少しずつ増えてきています。
“何を失うか”より、“何を大切にしたいか”
転職とは、過去を手放す選択ではなく、未来の自分に向けた投資のようなもの。大事なのは、「今の自分が、何を大切にして働きたいか」を素直に見つめることです。
あなたがネイリストになった理由、続けてきた想いを、どうか無理に押し込めないでください。
P4:年齢や立場にとらわれない“新しいネイリスト像”
これまでのネイル業界では、「先輩」「後輩」「キャリア年数」など、明確な上下関係がある職場も少なくありませんでした。とくに福岡のような都市部のサロンでは、スタッフの入れ替わりも多く、入社時期や役職で判断されやすい風土もあります。
けれど、時代は少しずつ変わってきています。
経験年数より「どう働きたいか」
今、多くのサロンが重視しているのは、年齢や在籍年数よりも「お客様とどんな関係を築けるか」「どんな姿勢で働いているか」という“人間性”の部分。
ネイルが好きで、丁寧に向き合い、お客様の声を大事にできること。
チームの中で、無理なく調和しながら働けること。
その姿勢こそが、キャリアや年齢以上に価値のある“ネイリストの資質”として求められているのです。
「教える・教えられる」の境界線はもっと柔らかくていい
教えること=上から目線
教わること=未熟な証拠
そんな固定観念は、これからの働き方には不要かもしれません。
たとえば、技術面では若手スタッフの方がトレンドに強かったり、SNS運用に慣れていたりする場合もあるでしょう。逆に、接客力や人間関係の築き方では、年上スタッフの方が長けていることもある。
一人ひとりが得意な分野を持ち寄って支え合う――そんな“横のチーム力”が強いサロンこそが、働く側にもお客様にも愛される場所になってきています。
自分の「ネイリスト像」を自分で選ぶ時代
「後輩を育てるタイプのネイリストにならなきゃ」
「キャリアを積んだら、当然リーダーになるもの」
そんなプレッシャーを感じる必要はありません。
もっと静かに、一人のお客様と向き合う職人気質な働き方もあっていい。
時短勤務で家庭と両立するネイリストも素敵。
スクール講師や施術アシスタントなど、表には出ないサポートの仕事も立派な役割。
今は「こうあるべき」に縛られない時代。ネイリストの働き方も、どんどん多様になっています。
福岡で自分らしいスタイルを貫いているネイリストたちも増えています。あなたも、自分に合った“働き方の正解”を見つけにいっていいのです。

P5:まとめ|「誰かの後ろを歩く」でも、「少し離れて歩く」でもいい
ネイリストとして働く中で感じる違和感や葛藤。
同年代に教えられることへの戸惑い、年下のスタッフに指導されることへの抵抗感。
そして、「このままでいいのか」と転職に揺れる心。
どれも、決してあなただけの悩みではありません。
むしろ、真剣に仕事と向き合ってきたからこそぶつかる壁であり、それは新しいステージに進む準備が始まっているサインでもあります。
これまでの経験を捨てる必要はありません。
あなたが歩んできた日々は、必ず誰かの役に立ち、次の環境でも生きていきます。
自分を無理に大きく見せなくていいし、逆に小さく扱う必要もありません。
誰かの後ろを歩いてもいいし、少し距離を取って見守る位置にいてもいい。
ネイルの仕事は、形のないものを形にする力を持った職業です。
だからこそ、自分のキャリアだって、自分の手でつくっていい。
あなたにとって心地よい場所は、きっとどこかにあります。
それはまだ出会っていないだけかもしれません。
焦らなくていい。でも、あきらめないで。
自分らしく働ける場所を探すことは、甘えじゃありません。あなたが笑顔でいられる毎日を、ちゃんと選んでいいんです。