悩み相談室独立・開業ガイド経験談集養成スクール情報

業務委託ネイリストとして働く前に知ってほしいこと|リアルな現実

ネイリストとして、そして社会の一員として

業務委託ネイリストの現実。続く人・続かない人の違い

福岡でもここ数年、ネイリストの働き方として業務委託に興味を持っている人が多くなっています。
高歩合、自由なシフト、独立に近い働き方。
そう聞くと、とても魅力的に感じるのは自然なことだと思います。

実際に福岡のネイルサロン現場で、たくさんのネイリストを見てきました。
その中で感じるのは、業務委託は決して悪い働き方ではないけれど、誰にでも合うわけではない、ということです。

この記事では、福岡のネイル業界の現場で見てきた実情をもとに、業務委託が続く人・続かない人の違いを正直にお伝えします。

業務委託という働き方について、どうしても伝えておきたい出来事があります。

これは噂話ではなく、私の身近で実際に起きたことを本人に聞いた話です。

業務委託に切り替わったとき、本人はとても喜んでいました。

お店から「業務委託にすればお給料が増えるよ」と勧められ、実際に手取りは目に見えて増えました。
働き方はほとんど変わらず、これまで通りサロンに出勤し、施術をして、お客様に向き合う日々です。

ただ一つ、決定的に変わったことがありました。それが「税金の扱い」です。

ある日、突然、税務署から連絡が入りました。

内容は、これまで数年間分の申告がされていない、というものです。

本人はそこで初めて、自分が「会社員」ではなく「個人事業主」として扱われていたことを、はっきり自覚することになりました。
結果として、数年分の税金をまとめて納めることになり、貯金は一気に減りました。

精神的なショックも大きかったと思います。
「知らなかった」では済まされない現実が、突然目の前に現れたのです。

一番つらかったのは、そのあとでした。

業務委託を勧めてきたお店からは、事前の説明はほとんどなかったにもかかわらず、
お店側には特にペナルティはなく、責任も問われませんでした。

納税の義務があるのは、あくまで「個人」。
業務委託という形を選んだ時点で、税金や申告は自己責任になります。

ここを知らないまま業務委託に切り替わってしまうネイリストは、実は少なくありません。そのままブラックな記録が残ってしまう形に。今後、自立して経営が不安になりました。

業務委託が悪い働き方だとは思っていません。

収入が増えたり、自由度が高かったり、合う人にとっては魅力的な選択肢です。簡単に説明すると本来、お店が払う税金等の支払いが、自分に来る代わりにお給料を上乗せします。と言うカラクリ。

業務委託は「ただ、給料が増える働き方」ではなく、
「立場が変わる働き方」だということを、もっときちんと知ってほしいと思います。

確定申告が必要になること。
税金は後からまとめて請求されることがあること。これは、一度見つかるとずっと残ります。
お店は、なにも守ってくれないこと。

これらを理解したうえで選ぶのと、知らずに始めるのとでは、結果がまったく違います。

立場が変わる働き方

業務委託を勧められたとき、もし少しでも不安を感じたら

一度立ち止まって調べたり、誰かに相談したりしてほしいと思います。

働き方を選ぶ自由がある時代だからこそ、
知らなかったことで傷つく人が、これ以上増えてほしくない。

これは、福岡のネイル業界で実際に見てきた、ひとつの現実です。

参考記事:ネイルサロンはなぜ、業務委託を進めるのか?

なぜ福岡でも業務委託ネイリストが増えているのか

福岡はネイルサロンの数が多く、競争も激しいエリアです。
天神・博多を中心に、新しいサロンが次々とオープンする一方で、経営面の負担を減らしたいサロン側の事情もあります。

その結果、固定給や社会保険を持たない業務委託という形が増えました。
ネイリスト側から見ても、時間の自由度が高く、頑張った分だけ収入につながる仕組みは魅力的に映ります。

参考記事:ネイリストの業務委託、なぜ現実が語られにくいのか

ネイリストの面接をしていると、時々、胸がざわつく瞬間があります。

そんな業務委託に不安を感じて面接に来られる方の話を聞いていると、
税金のこと、社会保険のこと、雇用形態の違いについて、
ほとんど何も知らないまま働いてきた、という人が本当に多いのです。

それでも本人は、悪気があるわけではありません。
「見つからないから大丈夫だと思っていました」
「周りもみんなそうだったので」
そう言われることも、少なくありません。

社会の仕組み

業務委託という働き方が広がったことで

知らないうちに、社会の仕組みから少しずつ外れてしまっているネイリストが増えているように感じます。

会社員と同じように出勤し、
会社員と同じように働き、
でも立場は個人事業主。

税金や申告、保険のことは「自分でやるもの」なのに、その説明を受けた記憶がないまま、時間だけが過ぎていく。気づかないうちは、問題がないように見えます。でも、ある日突然、不安が襲ってくる。

「このままで本当に大丈夫なのかな」
「もし何かあったら、誰も守ってくれないのでは」

面接の場で、そうした話を聞くたびに、これは個人の問題ではなく、業界全体の歪みなのかもしれない、と感じることがあります。

本人たちは、犯罪を犯しているつもりなんてありません。ただ、教えられてこなかっただけ。考えるきっかけがなかっただけ。それでも、社会の中で働く以上、知らなかったでは済まされない場面があるのも事実です。

ある人は、こう言っていました。

だんだん不安になってきて、このままじゃいけない気がしてきました。何か悪いことをしているような気持ちになって、やっぱり、ちゃんと働こうと思ったんです。

この言葉を聞いたとき、
責める気持ちよりも、ほっとした気持ちのほうが大きかったのを覚えています。

不安を感じることは、弱さではありません。
むしろ、社会の一員として、自分の立場を考え始めた証拠だと思います。

働き方を選ぶ自由がある時代です。
業務委託が合う人もいますし、否定するつもりはありません。

ただ、
誰かに言われるまま選ぶのではなく、
流れに乗るだけでもなく、
自分がどんな立場で、どんな責任を持って働いているのかを知ったうえで選ぶこと。

それが「ちゃんと働く」ということなのだと思います。

不安になるのは、真面目だから。
立ち止まろうとするのは、逃げではなく、前に進もうとしている証です。

ネイリストとして、そして社会の一員として

ネイリストとして、そして社会の一員として

自分で納得できる働き方を選んでほしい。

これは、面接の現場で何度も感じてきた、正直な思いです。

業務委託に対して、誤解されやすいこと

業務委託という言葉から、「自由で楽そう」というイメージを持つ人は少なくありません。
ですが、実際には自由=負担が少ない、というわけではありません。

例えば、予約管理、売上管理、確定申告。
これらはすべて自分で行う必要があります。

福岡のネイルサロンでも、技術力は高いのに、こうした管理面で疲れてしまう人を多く見てきました。

業務委託が続かなくなる人に多い共通点

福岡で業務委託として働き始めて、数年以内に辞めてしまう人には、いくつか共通点があります。

まず多いのが、収入の波に強いストレスを感じてしまうケースです。
繁忙期と閑散期の差がはっきりしている福岡では、月ごとの売上変動が想像以上に大きくなります。

また、相談できる環境が少ないことに不安を感じる人もいます。
業務委託は基本的に自己責任。
悩みや迷いを誰にも相談できず、精神的に疲れてしまうことも少なくありません。

体力面も無視できません。
高稼働を続けることで、手首や腰、視力に負担が蓄積し、続けられなくなる人もいます。

それでも業務委託が向いている人もいる

一方で、業務委託がとても合っているネイリストがいるのも事実です。

自己管理が得意で、売上の上下を前提として冷静に考えられる人。
一人で判断し、行動することに不安が少ない人。
将来の独立や方向性がある程度はっきりしている人。

こうしたタイプの人は、福岡でも業務委託という働き方をうまく活かしています。

年齢やライフステージで、向き不向きは変わる

業務委託が合うかどうかは、年齢やライフステージによっても変わります。

20代前半で体力があり、経験を積みたい時期には、業務委託が刺激になることもあります。
一方で、30代で家庭や子育てと両立したい時期になると、不安定さが負担になるケースも増えてきます。

福岡では特に、子育て中のネイリストから
「この働き方をこの先も続けられるか不安」
という声をよく聞きます。

働き方は、一度決めたら一生変えられないものではありません。
今の自分に合っているかどうかを、その都度見直すことが大切です。

業務委託を選ぶ前に、必ず考えてほしいこと

業務委託を選ぶ前には、契約内容をしっかり確認することが欠かせません。
歩合率だけでなく、材料費や集客の負担、トラブル時の対応なども含めて理解しておく必要があります。

福岡のネイル業界でも、事前に確認せずに始めて、後悔してしまうケースは少なくありません。

業務委託以外の働き方も、選択肢に入れていい

業務委託だけが正解ではありません。
正社員、パート、時短勤務など、サロンによってさまざまな働き方があります。

安定した環境で長く続けたい人にとっては、業務委託以外の選択肢が合う場合も多いです。
大切なのは、流行やイメージではなく、自分の今の状況に合った働き方を選ぶことです。

サロンによってさまざまな働き方

まとめ

業務委託ネイリストという働き方は、良い・悪いで判断できるものではありません。
向いている人もいれば、合わない人もいます。

福岡のネイル業界で実際に見てきたからこそ言えるのは、無理をして選ぶ必要はない、ということです。
自分の体力、価値観、将来を考えながら、納得できる働き方を選んでほしいと思います。

もし、業務委託以外の選択肢や、
社会保険・働き方・将来設計まで含めて整理された情報を知りたい場合は、
ネイリスト向けに働き方や雇用の考え方をまとめている
福岡アンドネイルの働き方を一度のぞいてみるのも一つの方法です。

また、福岡で実際にサロン運営を続けながら、
ネイリスト一人ひとりの将来や生活まで考えた環境づくりを行っている例として、
ネイリスト求人です。

働き方に迷ったとき、
すぐに決断しなくても構いません。
「知ること」から始めるだけでも、不安は少しずつ整理されていきます。

この記事を監修した人
ネイルサロン代表/JNEC1級ネイリスト /ジェル検定上級/(JNA)ネイルサロン衛生管理士/(JNA)ネイルサロン技術管理者 /アメリカ政府認定 カリフォルニア州 マニキュアリスト ライセンス取得
YUNO

監修:YUNO
Instagramも見てね!

ネイリスト歴28年
サロン運営歴24年
ネイルスクール講師歴19年

ネイリスト協会正会員 番号(1-07636)
厚生労働省 認可サロン(第1017033号/指定番号103号)、
日本ネイリスト協会: 認定サロン(登録番号0723-001)を運営。

福岡市内でサロンを経営し、専門校の非常勤講師15年を務めています。現場経験を活かしてスタッフ育成・教育・業務委託契約・独立支援など、サロン運営全般を担当。採用情報や開業を考えるネイリストに向けて、実務経験と業界知識に基づいた情報を監修しています。

福岡アンドネイルのSNSを見る