初めに
福祉施設にネイルケアに行くようになり20年を過ぎます。もちろん20年前のこの頃は、福祉ネイリストという言葉さえ聞かない時代でした。これまで20数年間、本当に業界の沢山の人と話して来ました。
おばあちゃんや高齢者の「美」を引き出す仕事は、見ていてほのぼのしますし、こんな仕事に憧れる人は本当に多いと思います。
「私も貢献したい」「活躍したい」と、女性は特にすぐに惹きつけられます。私自身もそうでした

でも、よく考えてみてください。
ここにも「一儲けしたい人たち」が、美味しいビジネスとして目をつけている現実があります。資格ビジネス、スクールビジネスです。
私は、福祉への貢献という視点だけでなく、「仕事として成り立つのか」という立場でこの分野に関わることにしました。すると、表向きは良いことばかり語られているものの、現実的ではない実態が次々と見えてきました。これまで、人から人を返し大手の福祉企業様とも多く話して来ました。
そもそも介護事業の業界内に、「福祉ネイリスト」という事業・業態そのものが存在していないのです。
この話をすると、福祉業界の受け皿となる側からすら、「聞いたことがない」「話が来ていない」と言われます。
それなのに、資格やスクールだけが先に存在している。その先がないのに??と、逆に困惑されるのです。
多くの人が勘違いしていますが、
介護業界に「福祉ネイリスト」という職種枠はほぼ存在しません。
ネイルは保険点数にならないため、
施設側が継続的にお金を払う理由がないのが現実です。
受け皿がないなら、受け皿を作るしかない。
そう思い、その糸をたどっていくと、最終的に行き着くのは「お金の出所」でした。
誰がこのお金を払うのか。
まさか、おばあちゃんたち本人に請求するのでしょうか。
それは現実的ではありません。そう考え、施設側に「利用者のために費用を捻出してほしい」とお願いをしてきました。

介護保険制度の中では、ネイルは「お金が発生するサービス」として認められていない
それでも、何度も何度も業界側と話し合い、ようやく労働に見合う対価を了承していただくところまで辿り着きました。
もちろん、資格やスクールを運営する側も、そのように動いていたはずです。
資格やスクールを運営する側も、現場とつなげる努力をしていなかったわけではないと思います。
それでも、介護業界側は動きませんでした。制度としても、事業としても、受け入れる準備が整っていなかったのです。
要するに今の現状では、そもそも「受け皿」が存在しない
これは誰か一人の責任ではなく、業界全体の構造の問題です。
「良い取り組み」であることと、「仕事として成り立つこと」は、まったく別だからです。
理想や想いだけでは、介護の現場は動かない。
対価、制度、継続性、そのすべてが揃わなければ、業界は受け皿にはなりません。

これが、今の現実であり、結果です。
もう、スクールビジネスや資格ビジネスに振り回されないでください。
この業界で食べていきたいなら、他人に頼らず、自分の力で切り開くこと。
それが、成功へのヒントだと思います。

