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ネイリストは辞める人が多いの?業界の現実と続ける人の違いを解説

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P1:ネイリストは本当に辞める人が多いのか?

結論から言うと、ネイリストは他の職業と比べて「辞める人が多い」と言われることが多いです。実際、ネイル業界では早期離職が目立ちます。

なぜそうなるのかというと、美容業界全体に共通する特徴が関係しています。たとえば、長時間労働・低賃金・体力的な負担・職場の人間関係など、働く上でのハードルが多く、理想と現実のギャップに悩む人が少なくないからです。

たとえば、ネイルスクールを卒業して晴れて就職したAさんの話。最初は「おしゃれで好きな仕事ができる!」と喜んでいましたが、実際には1日中座りっぱなしで7~8人のお客様を施術、休憩もろくに取れず、疲労とプレッシャーで体調を崩してしまいました。「このままずっと働き続けるのはムリかも…」と感じ、半年で退職。こういったケースは決して珍しくありません。

つまり、「ネイリストは辞める人が多い」というのは事実ですが、それは本人の努力不足ではなく、最初に選ぶ職場環境や働き方が合っていないことが原因の場合が多いのです。逆に言えば、自分に合った働き方を見つければ、長く続けることも十分可能です。

P2:ネイリストを辞めたくなる理由トップ5

ネイリストとして働く中で「もう辞めたい」と感じる理由には、いくつかの共通点があります。どれも現場で働くからこそ感じるリアルな悩みです。

まず結論から言うと、多くのネイリストが辞めたいと感じるのは「働く環境」と「将来への不安」が主な原因です。

理由を5つに整理してみましょう。

  1. 施術ペースが早すぎて体力的に限界
     1日7~8人のお客様を施術し、ほぼノンストップ。立ちっぱなし、座りっぱなしで体への負担も大きいです。休憩すら取れない日もあると、「この生活をずっと続けられるのかな…」という不安につながります。
  2. 思ったよりも給料が少ない
     「ネイリストってオシャレな仕事=稼げる」と思われがちですが、実際には新人のうちは時給も低め。指名や売上によって評価される制度が多いため、成果が出るまでの間は生活が厳しく感じる人も多いです。
  3. 人間関係がうまくいかない
     少人数の職場が多いため、1人との関係が悪化するとストレスに直結します。上下関係がはっきりしていたり、「新人は雑用中心」という古い体質のサロンも一部残っています。
  4. 技術習得に時間がかかり、自信が持てない
     スクールでは一通りの基礎を学びますが、実際のサロンワークではさらに高い技術やスピードが求められます。「思うように上達しない…」と悩んで、モチベーションが下がるケースもあります。
  5. 将来のビジョンが描けない
     このままサロン勤めを続けていくのか、独立した方がいいのか。年齢を重ねた先に、安定したキャリアパスが見えにくいのも理由の一つです。

たとえばあるネイリストBさんは、技術力に自信がついてきた頃に「このままここで働き続けるべきか?」「もっと自分らしい働き方はないのか?」と考えるようになり、迷いが深まった結果、退職を選びました。

まとめると、辞めたくなる理由の多くは「職場環境」や「業界構造」によるもの。本人のやる気がないのではなく、働く条件がミスマッチである場合が多いのです。

P3:辞める人と続ける人の違い

ネイリストを「辞めてしまう人」と「続けていける人」には、いくつかの明確な違いがあります。技術力や経験の有無よりも、「働く環境」と「考え方」がポイントです。

結論から言えば、長く続けているネイリストは、“自分に合った環境”で“無理のない働き方”を選んでいます。

まず、辞めてしまう人の多くは、最初に就職したサロンの働き方や価値観が合っていなかったケースが目立ちます。「1日8人施術」「予約に追われる日々」「休憩なし」「上下関係が厳しい」など、気づかないうちに自分をすり減らしてしまい、気力も体力も限界に。

一方で、続けているネイリストには次のような共通点があります。

  1. 自分のペースで働ける環境を選んでいる
     たとえば、業務委託や個人サロンなど、「1日○名まで」「休憩時間はきちんと確保」など自由度が高い働き方をしている人が多いです。
  2. ストレスの少ない人間関係を重視している
     少人数で気の合うスタッフが集まる職場を選んだり、孤立しないよう積極的にコミュニケーションをとるなど、自分にとって安心できる人間関係を大切にしています。
  3. 仕事に目的ややりがいを持っている
     「誰かのキレイを応援したい」「自分の技術をもっと磨きたい」など、明確な目標がある人は、多少の困難があっても乗り越えやすくなります。

たとえばCさんは、最初のサロンでは厳しいノルマと上下関係に疲れてしまい、「この業界はもう無理かも…」と感じていました。しかし転職して、自分のペースで働けるサロンに出会い、今では3年目を迎え、指名のお客様も増えて自信にあふれています。

つまり、続けられるかどうかは「本人の能力」よりも、「職場の環境」と「考え方の柔軟さ」によって決まることが多いのです。

P4:長く続けたいなら最初に知っておくべきこと

ネイリストとして長く働くには、技術や資格よりも先に“職場選び”と“自分の心の状態”がとても重要です。

結論から言うと、長く続けるためには「働く環境」よりも「人との関係性」や「安心できる空気感」が決め手になります。黙々と作業するだけの職場では、やがて孤独感や「自分って必要とされてるのかな…」という不安が積み重なり、続けることが難しくなるからです。

なぜかというと、辞めてしまう多くのネイリストが感じているのは「技術が足りない」よりも「孤立してしまった」ことによる心の疲れ。スタッフ同士で会話もなく、相談もできず、ただ毎日流れ作業のように仕事をこなす…。そんな環境では、やりがいを感じられず、「誰にも必要とされていない」感覚に陥ってしまいます。

さらに、今の職場に合っていないと感じていても、「どこも同じかも」「またゼロから関係を築くのが怖い」と思ってしまい、動けなくなるケースも多いのです。そのまま我慢を続け、限界が来て突然辞めてしまうという流れは、非常に多く見られます。

たとえばDさんは、「先輩との会話がほとんどない」「誰にも相談できない」という状況に悩んでいましたが、「このままじゃ自分が潰れる」と思い切って職場を変えました。次に選んだのは、少人数制で人間関係を大切にするサロン。今では笑顔で働けるようになり、仕事が楽しくなったそうです。

このように、長く働けるかどうかは、「どんな人と、どんな空気の中で働くか」が大きく関わってきます。自分が安心して過ごせる職場、必要とされていると実感できる環境を選ぶことが、継続のカギになるのです。

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P5:まとめ|辞める人が多いのは“向いていない場所でがんばりすぎている”だけかも

「ネイリストは辞める人が多い」と言われがちですが、その理由は単純ではありません。多くの場合、それは“本人が悪い”のではなく、“その人に合っていない環境”でがんばりすぎてしまっているだけです。

なぜなら、ネイル業界には働き方もサロンの雰囲気も、本当に多種多様な選択肢があります。合わない職場に入ってしまうと、どんなにやる気があっても、続けるのが難しくなってしまうのは当然のことです。

たとえば、「話しかけにくい先輩しかいない」「毎日ひとりで黙々と作業するだけ」「誰からも必要とされていない気がする」といった状況が続けば、どれだけ好きな仕事でも気持ちは離れていきます。そして、「どこに行っても同じだろう」と思い込んでしまい、本当はもっと自分に合った環境があることに気づけなくなるのです。

でも、そんなときこそ視点を変えてみてください。「合わないから辞めた=ダメな人」ではなく、「自分に合う場所を探すスタート地点」だと考えることが大切です。

現に、職場を変えたり、自分のペースで働ける環境に移ったことで、「毎日が楽しくなった」「お客様との関係も良くなった」と感じているネイリストはたくさんいます。

つまり、辞めたくなるのは自分が弱いからでも、ネイリストに向いていないからでもありません。今いる場所が、あなたにとって“適職”ではなく、“適環境”ではなかっただけ。
だからこそ、自分に合った働き方・人間関係・ペースで働けるサロンを見つけることが、ネイリストとしての幸せなキャリアの第一歩になります。

この記事を監修した人
ネイルサロン「福岡アンドネイル」代表/JNEC1級ネイリスト /ジェル検定上級/(JNA)ネイルサロン衛生管理士/(JNA)ネイルサロン技術管理者 /アメリカ政府認定 カリフォルニア州 マニキュアリスト ライセンス取得
YUNO


監修:田口裕子(通称 YUNO)
福岡アンドネイル 代表

ネイリスト協会 正会員番号(1-07636)
(「アンドネイル」は商標登録済|登録番号 第6611968号)

ネイリスト歴28年
サロン運営歴24年
ネイルスクール講師歴19年

厚生労働省 認可サロン(第1017033号/指定番号103号)、
日本ネイリスト協会 認定サロン(登録番号0723-001)を運営。

通称「YUNO先生」。福岡市内で複数のネイリストが在籍するサロンを経営し、現場経験を活かしてスタッフ育成・教育・業務委託契約・独立支援など、サロン運営全般を担当。求人や転職、開業を考えるネイリストに向けて、実務経験と業界知識に基づいた情報を監修しています。

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【商標情報】
商標名:アンドネイル(登録番号 第6611968号)
区分:第44類(爪の美容,美容)
区分:第41類(美容の教授,セミナーの企画・運営又は開催)
出願人:田口裕子
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