P1|ネイリストを目指すなら、まずサロンワークから始めよう
ネイリストとして活躍したいと思ったとき、多くの人が「まずは資格を取らなきゃ」と考えます。
たしかに資格は、技術の基礎を学んだ証明になり、自信にもつながるものです。
ですが実際のサロンワークでは、資格があるだけでは通用しない場面がたくさんあります。
サロンでは、お客様のご要望を聞きながら、その場でデザインを調整したり、時間配分を工夫したり、臨機応変に対応する力が求められます。
こうした力は、机の上だけの勉強や、検定試験の練習だけではなかなか身につきません。
本気でネイリストを目指すなら、まずは現場に触れ、リアルなサロンワークを経験すること。
その中で自然と「生きた技術」や「接客スキル」が身につき、結果的に資格取得もスムーズになるのです。
P2|実践を経験してから資格を取る方が、ずっとスムーズ
サロンワークを経験してから資格取得を目指すと、試験に向けた学びが格段にスムーズになります。
実際にお客様に施術をする中で、基本の技術を繰り返し使い、自然と手が動くようになるからです。
例えば、検定試験では「決められた手順」や「規定通りの形」を作ることが求められますが、現場経験があると、その意味を実感しながら練習できます。
「なぜこの工程が大切なのか」「どうすればもっときれいに仕上がるのか」といった視点が育ち、単なる暗記や形だけの練習になりません。
また、現場では時間内に施術を終わらせる工夫も求められます。
この時間管理の感覚も、試験本番で大きな武器になります。
まずはサロンで実践を重ね、その後に資格取得に挑戦する。
この順番の方が、無理なく、そして着実に合格へ近づくことができるのです。
P3|現場で使わない知識や技術に、時間を費やしてしまうリスク
ネイルスクールで学ぶ内容の多くは、検定試験に合格するために設計されています。
そのため、実際のサロンワークでは使う機会がほとんどない技術や細かい手順まで、細かく覚えなければならないことも珍しくありません。
もちろん、基本をきちんと学ぶことは大切です。
しかし、現場では「美しく仕上げること」「スピーディーに施術を終えること」「お客様の要望に応えること」など、もっと実践的なスキルが求められます。
試験向けの練習にばかり時間をかけすぎてしまうと、いざサロンに立ったときに「実際にはどう対応すればいいのかわからない」と戸惑ってしまうことも。
そして結局、現場で一から学び直すことになり、「せっかく時間もお金もかけたのに…」という悔しい思いをする人も少なくありません。
限られた時間と労力を、より実践に直結する経験に使うこと。
それが、ネイリストとして確かなスタートを切るためにはとても大切なのです。
P4|検定至上主義とネイル業界に潜む利権構造
ネイル業界では、「資格を持っていること」が重視される風潮が長く続いてきました。
この背景には、検定試験を運営する協会や関連スクールによる、いわゆる”利権構造”があると言われています。
検定制度は、一定の技術基準を設けるという意味では意義のあるものです。
しかし現実には、試験のためだけに細かく作られたカリキュラムや、高額な受講料、何度も挑戦することを前提にした仕組みが、スクールビジネスの大きな収益源になっている側面も否定できません。
「資格がないとネイリストになれない」
「資格を取らないとサロンで働けない」
そう思い込んでしまった結果、まだ実務経験もないまま高額な費用を支払い、長い時間をかけて資格取得に専念してしまう人が後を絶ちません。
本来、教育とは「現場で即戦力となるネイリストを育てる」ことが目的であるはずです。
それにもかかわらず、資格取得をゴールとするスクールビジネスが主流となり、実践力を養う本来の学びがおろそかになっている現状は、ネイル業界全体の課題と言えるでしょう。
参考記事:ネイリスト協会教育に本当に必要なこととは?役割と現場のギャップを考える

P5|ネイリストにとって本当に大切なのは「現場力」
ネイリストとして長く、そして楽しく働き続けるために、本当に必要なものは何でしょうか。
それは「資格」や「肩書き」ではなく、お客様に選ばれ、信頼されるための“現場力”です。
現場力とは、ただ技術をこなすだけでなく、
- お客様の希望をしっかり聞き取る力
- その場の状況に応じて臨機応変に対応する力
- 安心感を与える接客スキル
こういった、生きた力のことを指します。
資格取得だけを目標にするのではなく、まずはサロンで実際に働き、現場の空気を感じながら経験を積む。
その中で本当に必要な知識や技術を身につけ、必要に応じて資格を取得する。
この順番を選ぶことで、無駄な遠回りをせず、着実に「お客様から愛されるネイリスト」へと成長していけます。
ネイリストを目指すなら、まずは現場に飛び込んでみる。
経験を積みながら、自分らしいキャリアを築いていきましょう。