ネイリストとしての成長記録ネイリストの学びネイリストの技術と接客術

サロンワークに慣れるまで、ネイリストのリアルな成長記

ネイリストの練習風景 福岡

【P1】新人スタッフの悩み「オフからベースまで、どうしても1時間かかってしまう」

ある時期、新人スタッフの施術時間がなかなか短縮できずに悩んでいる様子が見えてきました。

マシンオフからプレパレーション、ベースジェルの塗布まで、すべての工程に丁寧さはある。けれど、1時間以上かかってしまう。それが続くと、本人の中でも「私は遅いのかな」「先輩に迷惑かけてないかな」と不安が募っていくようでした。

誰も責めるわけではない。でも、空気で感じ取ってしまう時間へのプレッシャー。それは新人スタッフにとって想像以上のストレスになります。

施術スピードは、経験と場数で自然と上がるもの。それでも、最初のうちはどこかで「これで合ってる?」「もっと早くやるにはどうしたらいい?」と悩みながら、手を止めてしまうこともあります。

このコラムでは、実際にサロンで起きたこのような悩みをもとに、「どうすればオフ〜ベースまでを効率よく進められるのか」、そして「新人がスピードを身につけるまでに大切にすべきこと」について、サロンの育成視点から整理していきます。

P1 スピードと丁寧さのはざまで

サロンに新卒で入ってきたスタッフが、ある日ぽつりと話してくれました。マシンオフからベースまでの工程が、どうしても1時間を超えてしまうことが気になっていると。先輩がそばにいても、時間を意識すればするほど焦ってしまい、手が止まってしまう。そんな自分にがっかりしてしまうことがあるそうです。

その気持ちは、私たちも一度は通ってきた道かもしれません。福岡のような美容サロンが多い地域では、お客様もサロンも施術時間に対する意識が高く、どうしてもスピード感を求められがちです。でも、経験の浅いスタッフにとっては、そのプレッシャーが大きな壁になってしまうこともあります。

彼女は真面目で、一つひとつの工程をとても丁寧にこなしていました。けれど、スピードが出ないことに対して、自分だけが遅れているような感覚になっていたのです。実際には、未経験からのスタートでは当たり前のこと。むしろ、その丁寧さがこれからの成長の土台になるのに、ついスピードばかりに目が向いてしまう。これまで何人ものスタッフを見てきましたが、最初はみんなそうでした。

このブログでは、そんなサロン現場のリアルな声をもとに、新人ネイリストが陥りやすい悩みと、それをどう乗り越えていけるかをテーマに書いていきます。キャリアアップを目指す人、未経験からの転職で新しい環境に飛び込んだ人、技術はあるけれどスピードに伸び悩む経験者まで、それぞれの立場に寄り添える内容をお届けできたらと思います。

P2 時間がかかる理由は、本人が一番わかっている

マシンオフに時間がかかってしまう。ファイルでの削りが甘く、ジェルが残ってしまう。アルミホイルを巻くのが遅い。これらはすべて、施術を間近で見ていると自然と気づくことでした。

でも、それと同時に思うのは、たぶん本人が一番よくわかっている、ということ。自分の手が止まる瞬間や、手順に迷いが出る場面は、毎日の施術の中で嫌というほど自覚しているからです。

オフからプレパレーション、そしてベースジェルまで。一連の工程を30分で終わらせるには、ただスピードを上げるだけでは足りません。使う道具の置き場所、動作の流れ、左右の指をどう効率よく進めるか、そういった小さな積み重ねが必要になります。

でも、新卒で入ったばかりのスタッフや未経験からの転職者にとって、それをすぐに習得するのは簡単なことではありません。サロンによって工程の順番やルールも違いますし、何より、先輩たちが当たり前にできていることが、なぜうまくできないのかを言語化できずに苦しんでいる姿を何度も見てきました。

福岡のように美容サロンが多く、お客様の目も肥えている地域では、施術の早さは技術の一つとして評価されがちです。けれど、それを重く受け取りすぎて、自信をなくしてしまうのはとてももったいない。経験を積んでいくうちに、手の動きは自然と滑らかになっていきますし、道具の使い方も手に馴染んでいきます。

だからこそ、最初のうちは「なぜ遅いのか」ではなく、「どうすれば安心して練習できるか」に焦点を置いてサポートすることが大切だと感じています。

P3 30分以内で終わらせるために。

その子がある日、思い切って先輩に声をかけてみたそうです。

「どうやったら、オフからベースまで30分以内で終わらせられるんですか?」

返ってきた答えは、驚くほどシンプルで現実的なものでした。

「落ちにくい指だけ、アルミで巻いてね。あとは全部マシンでオフしていけばいいよ」

つまり、全指に溶剤を塗ってアルミで巻く必要はないということ。親指やアートがしっかり乗っている指など、時間がかかるところだけを先に巻いておき、他の指は先にマシンで削っていく。その間にアルミを巻いた指が柔らかくなってくるから、時間差でスムーズに進められるようになる。これが、実際のサロンワークで自然と身につけていく効率化の工夫でした。

そしてもうひとつ、先輩が口にしたのは、「無駄な動きを減らすこと」。

例えば、ファイルやニッパーを探して手が止まったり、施術中に姿勢を何度も変えたりするだけで、数分単位でロスが出る。だから、道具は手を伸ばせばすぐ届く位置に。手順も、毎回自分の中で決まった順番を意識して流れを作っていくことが大切だと教えてくれました。

なにより印象的だったのは、「スピードだけを追いすぎないで」という言葉。焦って手元が雑になるより、まずは一定のリズムで動けるようになること。施術の流れが体に染み込んでいけば、自然と時間は縮まっていく。そのためには、場数と慣れがすべて。最初から完璧にできる人なんていない。だから、焦らず、自分のペースで積み上げていけばいいんだと。

未経験や新卒で入ったスタッフにとって、この言葉の重みがどれほど安心につながるか。福岡のサロンで多くのスタッフを育ててきた中で、こうした一つひとつの声かけの大切さを、改めて感じた出来事でした。

ネイリストの練習風景 福岡02

P4 ある日気づいた、「あ、前より早く終わってる」

先輩に教えてもらった動かし方や手順を、少しずつ意識するようになったスタッフ。マシンを持つ角度、削る順番、アルミを巻く指の選び方。それまでは、ただ必死で工程をこなしていたけれど、一つひとつに「意味」を持たせるようになっていきました。

最初のうちは、意識しすぎて逆に手が止まることもありました。でも、それでも毎日、淡々と同じことを繰り返していくうちに、自然と手が覚えてくる瞬間があったそうです。

「気づいたら、30分ちょっとでオフからベースまで終わってました」

その言葉を聞いたとき、こちらも嬉しくなりました。何か特別な技術を使ったわけでも、無理をしたわけでもない。ただ、毎回どうすればもっと効率よくできるかを考えながら練習していたことが、少しずつ形になってきた。それだけのことかもしれません。でも、それは確実にプロとしての感覚が育っている証拠です。

特に印象的だったのは、スピードがついてきたことで、本人に少し自信がついたこと。姿勢も表情も変わってきて、お客様との会話にもゆとりが生まれてきたように感じました。これは技術以上に大きな成長です。

ネイルの仕事は、技術とスピードと気配りのすべてが必要になります。でもそれは、いきなり求めるものではなく、一つひとつ積み上げていくもの。スキルアップやキャリアアップという言葉には聞こえない、地道な変化の積み重ねこそが、最終的に信頼されるネイリストをつくっていくのだと思います。

参考記事:未経験からネイリストへ。福岡で本気で育ててくれるサロン、あります

P5 ひとりの成長が、サロン全体の雰囲気を変えていく

そのスタッフが、少しずつ自信をつけていく様子を見て、先輩たちの関わり方にも自然と変化が出てきました。忙しい施術の合間でも、さりげなく声をかけたり、ちょっとした工夫を共有したり。以前は無言で流れていた空気の中に、小さなやり取りが増えていきました。

一人の頑張りが、周囲に優しさや余裕を生んでいく。そういう変化は、育成というよりも関係性の積み重ねの結果だと思います。

未経験で入ってくる人にとっては、最初の半年がとにかく不安でいっぱいです。できないことを責められたり、放置されたりする環境では、せっかくのやる気も自信もすぐに失われてしまいます。でも、福岡のような地域で長く働きたいと思うなら、最初の職場が安心して育ててもらえる場所かどうかはとても重要です。

一方で、経験者や転職組のスタッフは、前の職場とのやり方の違いや、自分のスタイルとのすり合わせに悩むこともあります。だからこそ、ここではこういうやり方なんだよと、押しつけではなく丁寧に共有することが、スムーズな定着につながっていきます。

キャリアアップやスキルアップは、本人の努力だけで成り立つものではありません。その努力が報われる環境があるか、応援される雰囲気があるか。それがすべての土台になります。

今ではその新人スタッフも、少しずつ後輩の相談に乗るようになってきました。かつての自分と同じように、悩みながら前に進もうとしている誰かのために、今度は自分が手を差し伸べる番なのかもしれません。

参考記事:未経験からネイリストへ。入社後に感じた大切なこと

ネイリストの練習風景 福岡

P6 自信は、ゆっくり積み上げていくもの

ネイルの世界は、技術だけでなく人としても成長できる仕事です。だからこそ、最初はうまくできないのが当たり前。時間がかかっても、迷いながらでも、積み重ねた経験は確実に力になっていきます。

大切なのは、できない自分を責めることではなく、今の自分をちゃんと見つめること。焦って結果を急ぐのではなく、今日ひとつでも「昨日よりよくできた」と思える瞬間を見逃さないことだと思います。

福岡アンドネイルでは、未経験や新卒で入ったスタッフも、ゆっくりと技術と自信を育てていける環境を整えています。スキルアップのフォローだけでなく、一人ひとりが安心して働ける空気を大切にしているからこそ、経験者や転職者の方からも「ここで長く働きたい」と言っていただけることが増えてきました。

もし今、施術のスピードに悩んでいる方がいたら。あるいは、今の職場ではなかなか成長を実感できずにいる方がいたら。環境を変えることも、キャリアアップの一つの選択です。

自分のペースで成長していける場所を探している方は、ぜひ一度、
福岡アンドネイルのネイリスト求人情報 をご覧ください。

また、サロンの雰囲気や働いているスタッフの声などは、こちらの
お店紹介ページ でご確認いただけます。

この記事を監修した人
ネイルサロン「福岡アンドネイル」代表/JNEC1級ネイリスト /ジェル検定上級/(JNA)ネイルサロン衛生管理士/(JNA)ネイルサロン技術管理者 /アメリカ政府認定 カリフォルニア州 マニキュアリスト ライセンス取得
YUNO


監修:田口裕子(通称 YUNO)
福岡アンドネイル 代表

ネイリスト協会 正会員番号(1-07636)
(「アンドネイル」は商標登録済|登録番号 第6611968号)

ネイリスト歴28年
サロン運営歴24年
ネイルスクール講師歴19年

厚生労働省 認可サロン(第1017033号/指定番号103号)、
日本ネイリスト協会 認定サロン(登録番号0723-001)を運営。

通称「YUNO先生」。福岡市内で複数のネイリストが在籍するサロンを経営し、現場経験を活かしてスタッフ育成・教育・業務委託契約・独立支援など、サロン運営全般を担当。求人や転職、開業を考えるネイリストに向けて、実務経験と業界知識に基づいた情報を監修しています。

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商標名:アンドネイル(登録番号 第6611968号)
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