収入とキャリア技術と接客術

業務委託・シェアサロンの落とし穴とは?

福岡アンドネイルのネイリスト・働く姿

最近増えている「業務委託・フリーランス」の働き方。その影響とは?

最近、ネイリストの働き方として「業務委託」や「フリーランス」が広がっています。自由度が高く、自分のペースで働けるという魅力があり、福岡でもシェアサロンを中心にその雇用形態が選ばれるようになってきました。

でも実は、お客様から寄せられる声の中には、不安や不満も少なくありません。例えば「予約の時間通りに行ったのに施術が始まらなかった」「コース変更をお願いしたら、明らかに嫌そうな態度を取られた」「サロン内が散らかっていて不衛生に感じた」という声もあります。

こうしたトラブルの背景には、雇用形態の違いによる働き方のギャップがあるように感じます。業務委託やフリーランスのネイリストは、売上がそのまま収入につながるため、1日に何人施術できるかが重要になります。その結果、どうしても「数をこなすこと」が優先され、丁寧な接客や空間の清潔感にまで気が回らなくなってしまうことがあるのです。

もちろん、すべてのフリーランスの方がそうというわけではありません。でも、お客様が不安を感じたり、不快な思いをされたりする事例が実際にあるのも事実です。そうなると、ネイリストとしての信頼やリピートにも影響してきます。

接客の本質を学べないまま、習慣になってしまう怖さ

業務委託やフリーランスという働き方が広がる中で、実はもう一つ深刻な問題があります。それは、ネイリスト自身が「接客スタイルの基本」を間違えて覚えてしまうことです。

サロンに所属していない働き方では、接客の仕方やサロンの空気感を誰かから学ぶ機会が極端に少なくなります。注意されたり、先輩に指摘されたりする場面がほとんどないまま、自分なりのやり方でお客様と接するようになります。売上を優先して焦って施術を詰め込み、会話も流れ作業のようになっていってしまう。そんな状態が日常になれば、丁寧な接客を「時間がかかる非効率なもの」と感じるようになるのも無理はありません。

でも、それはネイルサロンの本来の在り方とはかけ離れています。

ネイルは、単に爪を整えるだけの仕事ではありません。お客様にとっては、自分の気持ちを上げるための大切な時間であり、信頼できる人に施術を任せたいと願う空間です。その気持ちに寄り添うためには、ほんの少しの声かけや、手の扱い方ひとつで相手の緊張をほどくような「丁寧な接客力」が必要です。

ところが、シェアサロンやフリーランスでキャリアを始めると、その部分を誰からも教わることなく、自己流のまま年数だけが積み重なってしまうことがあります。一度覚えてしまった接客スタイルは、あとから変えるのが難しいものです。しかも、間違って覚えてしまった「効率優先」の習慣は、長期的にはお客様との信頼関係を築く妨げになります。

福岡のような地域密着型のサロンでは、リピートや紹介が大きな割合を占めます。そうした土壌の中では、短期的な売上よりも「丁寧な信頼づくり」の方がはるかに重要です。にもかかわらず、経営スタイルに合っていない働き方を選んでしまうことで、お客様もネイリスト自身も疲弊してしまうのです。

経営ごっこになってしまうシェアサロンの現実

とくに問題が大きいのは、シェアサロンという働き方です。

自由に見えるこのスタイルですが、実際の現場を見ていると、経営に自信がない、あるいは経験が浅い人たちが集まりやすい傾向があります。自分で値段を決めて、自分のルールで営業しているように見えても、実際には経営と呼べるほどの計画性や責任感を持てていないケースが少なくありません。

メニューが多すぎて軸が定まらない、価格を安くしすぎて利益が出ない、それでもお客様を呼ばなきゃとSNSに必死になる。その姿は、経営というより「経営ごっこ」に近いと感じてしまうこともあります。

もちろん、すべてのシェアサロンが悪いわけではありません。中にはきちんと運営され、教育体制もしっかりしているところもあります。でも多くの場合、責任の所在があいまいな環境の中で、それぞれが勝手に動いている状態になってしまう。その結果、店内の衛生管理がゆるくなったり、接客のクオリティがばらついたりするのです。

福岡でも、シェアサロンで施術を受けたお客様が「場所が暗くて清潔感がなかった」「スタッフの雰囲気がバラバラで落ち着かなかった」と話されることがあります。これは、店舗としての統一感や信頼感が欠けている証拠です。

ネイルサロンは、お客様の手元という最も繊細な部分に触れる仕事。だからこそ、経営者側には高い衛生意識と、スタッフへの教育体制が求められます。そこをおろそかにしたまま「自由に働ける場所ですよ」とシェアサロンを売りにしてしまうのは、ネイルという仕事の信頼性を損なう結果になりかねません。

働く環境が技術と接客を育てる。安定した土台があるかどうか

ネイリストとして長く続けたいなら、やはり大事なのは「技術を育てる環境」と「安心して働ける雇用条件」が整っていることだと感じます。

業務委託やフリーランスでは、働いた分だけ報酬がもらえる一方で、労働時間が不規則になりがちです。売上が不安定であることから、休日返上で予約を詰め込む人も多く、体調を崩したり、手首や腰を痛めたりするケースもあります。誰かが守ってくれる環境がない分、無理をしてしまうのです。

一方で、常用雇用の正社員や契約社員として働く場合、週30時間以上の労働で健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険といった社会保険に加入できることが一般的です。給与明細の中にきちんと控除項目が記載され、将来への備えや産休・育休、介護などのライフイベントにも安心感があります。

また、安定した雇用形態のサロンでは、教育や研修の機会も定期的にあり、技術力や接客の質も自然と上がっていきます。新人が先輩の施術を見て学び、先輩も後輩にアドバイスをする。そんな当たり前の関わりがあることで、自分だけでは気づけないクセや甘さに気づけたり、自信を持ってお客様と接する力が育っていきます。

福岡アンドネイルでも、最初は自信がなかったスタッフが、周囲のサポートや接客指導を通して、半年後には笑顔でお客様を迎えられるようになる姿を何度も見てきました。安定した環境は、単に収入の問題だけでなく、ネイリストとしての姿勢や未来のキャリアにも大きな影響を与えるものです。

チェーン店の拡大と、お客様が感じている違和感

もう一つ、最近とくに目立つ問題が、ネイルチェーン店の急速な出店ラッシュです。

福岡でも駅前やショッピングモール内などに続々と新しい店舗ができていますが、その多くが業務委託による運営で、若く経験の浅いネイリストが中心となって働いています。見た目は華やかでも、実際に利用されたお客様からは、「態度が冷たい」「店内が不衛生だった」「声がけが一切なかった」などの声が頻繁に届いています。

これは、ネイリスト一人ひとりの資質だけの問題ではなく、経営体制そのものに無理があるのだと感じています。スタッフの入れ替わりが激しく、教育や指導の仕組みが追いついていないため、接客の質が安定せず、店舗ごとにサービスの差が出てしまう。特に業務委託の場合、ネイリストの意識やモラルに頼る部分が大きく、最低限のマナーや清掃管理すら行き届かないまま、お客様を迎えてしまっているのです。

実際、あるお客様は「爪の表面にダストが残ったままだった」「スタッフ同士のおしゃべりが多くて落ち着かなかった」と話してくれました。ネイルサロンに求められるのは、技術だけではなく、空間の清潔感や居心地の良さ。チェーン店であっても、それは当然の期待です。

ですが現状は、「安さ」や「回転率」ばかりが優先され、ネイルという仕事の本質から遠ざかってしまっている店舗が少なくありません。若いネイリストが業務委託として短期間だけ働き、技術も経験も十分に積めないまま辞めていく。その繰り返しが、業界全体の信頼を少しずつ損ねているように感じます。

お客様が「数」になってしまう業務委託の現実

業務委託という働き方は、自分の力で稼げるという自由さがありますが、その裏には厳しい現実もあります。シンプルに言えば、「数をこなさないと収入にならない」という仕組みです。

サロンに雇用されている場合と違い、業務委託では施術ごとに報酬が発生するため、1日に何人のお客様を入れるかがそのまま収入に直結します。そのため、予約の詰め込み、短時間施術、オプションの強引な提案などが日常的になりがちです。

この働き方の怖いところは、気づかないうちに「お客様を数として扱ってしまう」という感覚が根付いてしまうことです。一人ひとりの希望や体調、会話のリズムに寄り添うよりも、「時間内に終わらせること」「次の予約に間に合うこと」が優先されてしまう。結果として、お客様の満足感よりも、作業効率が優先されてしまうのです。

実際に、福岡のサロンで働いていたあるネイリストは、業務委託での経験をこう話してくれました。「気づいたら、お客様を今日は3人目とか次の人まであと30分って、時間と回数でしか見なくなっていた。接客が雑になっているのは自分でも分かっていたけど、そうしないと生活ができなかった」と。

それは、ネイルという仕事が本来持っている「人と人とのつながり」を削っていく働き方です。

お客様にとっては、ネイルの時間は特別なご褒美だったり、自分を整える大切なひとときだったりします。それが、サロン側の都合で流れ作業のように扱われてしまえば、また来たいとは思えません。さらに一度でもそういった体験をすれば、「ネイルサロンってそんなものか」と業界全体への印象も下がってしまいます。

だからこそ今、改めて見直すべきなのは、ネイリスト一人ひとりが「どんな環境でなら、心からお客様に向き合えるのか」ということです。

福岡アンドネイルのネイリスト・働く姿

アンドネイルの想い

福岡アンドネイルでは、在籍するすべてのネイリストが正社員として働いています。これは、ネイル業界ではまだ珍しい体制かもしれませんが、私たちは「お客様に安心して通っていただくためには、まず働く側が安心して働けることが必要」だと考えています。

雇用が安定しているからこそ、日々の施術や接客に追われすぎることなく、目の前のお客様にきちんと向き合える心の余裕が生まれます。週30時間以上の勤務で健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険といった社会保険はもちろん、産休・育休の制度も整えており、ライフステージが変わっても働き続けられる環境づくりに力を入れています。

実際に、産休を取得して復帰したスタッフや、家庭と両立しながら働いているネイリストも在籍しており、それぞれの人生に合わせた働き方ができるのも、正社員としての雇用があるからこそだと思っています。

自分たちが豊かでないと、良いおもてなしはできない」この言葉を大切にしながら、スタッフ全員が笑顔で働ける環境を整え、心からのサービスをお届けしています。

ネイルという小さな世界だからこそ、丁寧さと信頼が積み重なっていくものです。安心して長く通っていただけるサロンを目指し、これからもひとつひとつのご来店を大切にお迎えしていきます。

ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度、サロンの雰囲気を体感しにお越しください。お会いできる日を、心より楽しみにしています。

福岡アンドネイルのネイリスト採用情報

この記事を監修した人
ネイルサロン代表/JNEC1級ネイリスト /ジェル検定上級/(JNA)ネイルサロン衛生管理士/(JNA)ネイルサロン技術管理者 /アメリカ政府認定 カリフォルニア州 マニキュアリスト ライセンス取得
YUNO

監修:田口裕子(通称 YUNO)
(株)アンドクリエーションズ:代表
ネイリスト協会正会員 番号(1-07636)
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ネイリスト歴28年
サロン運営歴24年
ネイルスクール講師歴19年

厚生労働省 認可サロン(第1017033号/指定番号103号)、
日本ネイリスト協会: 認定サロン(登録番号0723-001)を運営。

通称「YUNO先生」。福岡市内でサロンを経営し、専門校の非常勤講師15年を務めています。現場経験を活かしてスタッフ育成・教育・業務委託契約・独立支援など、サロン運営全般を担当。採用情報や開業を考えるネイリストに向けて、実務経験と業界知識に基づいた情報を監修しています。

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