ネイルサロンで働き始めたばかりのネイリストさんにとって、「施術のスピードを上げる」というのは大きな課題ですよね。とくに、未経験からのスタートだと、予約が立て込んでいる時に焦ってしまったり、先輩の視線を感じて緊張してしまったり…。そんな経験、福岡のネイルサロンでもよく聞く声です。
でも安心してください。少しの工夫と視点を変えるだけで、施術時間は確実に短縮できます。今回は、福岡で17年ネイルサロンを経営し、スクール講師としても活動している筆者が、明日からすぐに取り入れられる“スピードアップのコツ”をいくつかご紹介します。
「早い=雑」ではない。ネイリストに必要な“効率の良さ”
「早くしないと」と意識しすぎてしまうと、ジェルの塗り残しやケアの甘さなど、仕上がりに粗さが出てしまいがちです。しかし、スピードアップとは“雑にすること”ではありません。大切なのは、時間をかけるべき部分と、効率よく進められる部分をきちんと見極めること。
ネイリストの技術力はもちろん重要ですが、「施術に無駄がないこと」も同じくらい大切です。では、具体的にどの工程をどんなふうに効率化できるのか、項目ごとに見ていきましょう。
1. カウンセリングの時間を短縮するには?
「どんなデザインにしよう…」「カラーが決められない…」と悩むお客様は少なくありません。とくに福岡では、イベント前や季節の変わり目など、アートの相談に時間がかかるケースも。
そんな時は、質問の仕方を工夫しましょう。
- 「どんなシーンでネイルをされるんですか?」
- 「この2つのデザインなら、どちらが好みに近いですか?」
こうした“答えやすい質問”を投げかけることで、お客様の希望が自然と絞られていきます。
また、カウンセリング中もただ会話するだけでなく、オフやプレパレーションを同時進行できると、時間短縮につながります。
2. オフの時間を短くするコツ
施術の中でも時間がかかりがちな“オフ”。特にジェルネイルのトップジェルはアセトンに溶けにくく、そのまま放置してもなかなかオフできません。
ポイントは「トップジェルをしっかり削ること」。マシンでもファイルでも構いませんが、表面を削る時は、カラー層までしっかり削れているかを都度確認しましょう。慣れないうちは、削る力が弱すぎて時間ばかりかかってしまうことも。指先の皮膚をブロックしつつ、安心して削れるフォームを身につけましょう。
3. プレパレーションを効率よく行うには?
プレパレーション(ジェルネイル前の下処理)も、意外と時間がかかるポイントです。特にキューティクルのプッシュアップで時間を取られていませんか?
ネイル検定のように「完璧なポケットを作る」必要はありません。サロンワークでは、あくまで“ジェルが浮きにくい状態”を作るのが目的。ルースキューティクルを丁寧に除去し、ネイルプレートを整えるだけでOKです。細かい部分に時間をかけすぎず、メリハリを意識して作業しましょう。
4. ジェルを塗るスピードを上げたいなら“筆”を見直して
ベースやトップジェルの塗布スピードを上げるには、使用するブラシの見直しが効果的です。
毛丈が短く、小さすぎる筆を使っていると、何度もジェルを足す必要があり、1本塗るだけでも時間がかかってしまいます。逆に、やや大きめの筆を使うことで、一度に塗れる範囲が広くなり、効率よく塗布できます。
もちろん、大きすぎるとジェルが皮膚についてしまうリスクもあるので、自分の手の動かし方に合った適切なサイズを見極めましょう。
技術力アップとスピードは両立できる!
ネイルの施術スピードを上げることで、1日に対応できるお客様の数が増えるのはもちろん、空いた時間でオプション提案をしやすくなり、結果的に単価アップにもつながります。
福岡のサロンでも、「回転率を上げたい」「時給に換算するともっと効率よく稼ぎたい」といった声は多く聞かれます。そんな時こそ、自分の施術スタイルや工程を見直す絶好のタイミングです。
技術が上手なネイリストほど、動きに無駄がなく、自分に合った配置やアイテム選びをしています。筆やパーツの置き場所、椅子の高さ、姿勢…。こうした“ちょっとしたこと”の積み重ねが、大きな時短につながるんです。

まとめ
ネイルの施術スピードを上げたいとき、大切なのは“慣れ”だけではありません。普段の習慣や意識次第で、技術の効率は確実に上がっていきます。
福岡でこれからネイリストを目指す方や、すでにサロンワークを始めているけれどスピードに悩んでいる方は、ぜひ今回ご紹介したポイントをひとつずつ取り入れてみてください。
日々の積み重ねが、あなたの施術スタイルをより洗練されたものにしてくれるはずです。