P1|舞台のきらめきの裏にある、もう一つの素顔
福岡・博多座での宙組公演中、ある一人の娘役が、ひとときのリラックスタイムを求めて私たちのサロン「福岡アンドネイル」に初めて来店されました。彼女の名前は、宝塚歌劇団 宙組の里咲しぐれさん。舞台上では華やかで可憐な存在感を放ち、多くのファンを魅了してきた彼女ですが、実際にお会いした印象は、驚くほど気さくで穏やか。その飾らない雰囲気に、私たちスタッフも自然と心を許してしまったのを今でも覚えています。
最初のご来店は、公演の合間をぬってのご予約でした。ご希望されたネイルは、ごくごくシンプルなデザイン。宝塚の舞台に立つスターといえば、きらびやかなネイルをイメージされるかもしれませんが、実際のところ、舞台中は衣装や演出に影響を与えないよう、控えめなネイルを選ばれることが多いのです。
「このくらいのほうが、清潔感もあるし安心して舞台に立てるんです」と、笑顔で話されていたのが印象的でした。
その後も、博多座での公演があるたびに、必ずと言っていいほどご来店くださるようになり、公演後に一緒にお酒を飲みに行ったり、舞台や日常のことを語り合ったりする仲になりました。
次回は、彼女がどんなネイルを好み、どうしてこのサロンを選び続けてくれているのか。サロンでの様子や、実際のネイリストとのやりとりも交えながら、もう少し詳しくご紹介していきます。
P2|ネイルは身だしなみのひとつ。舞台人としての美意識
舞台に立つということは、全身が作品になるということ。照明に映えるメイクや衣装だけでなく、爪先にまで細やかな気配りが求められます。
里咲しぐれさんが福岡アンドネイルを訪れるたびに選ばれていたのは、透明感のあるナチュラルなカラーや、ツヤだけを出すようなベース重視のケアネイル。特に舞台期間中は、あくまで「手をきれいに見せる」ことが目的で、アートや装飾には慎重なご様子でした。
「爪って、思っている以上に視線が集まるんです。台詞を話すときの指先の動きや、扇子を持つ仕草…そういうときに清潔で整っていると、自分も安心できる」と話されていたのが印象的です。
私たちのネイリストは、こうした舞台特有の制約やこだわりを尊重しつつ、その方の雰囲気や役柄に合わせた見えない美しさを引き出すことを大切にしています。
演者としての責任感と、女性としての美意識。どちらも大切にされている彼女の姿勢は、同じ「手を使う仕事」をしているネイリストにとっても学びの多いものでした。
P3|通い続けた理由は「安心感」と「ちょうどよさ」
舞台の世界は、華やかである一方でとても繊細な世界でもあります。公演前はリハーサルと本番の繰り返しで気が張りつめ、心身のバランスを保つことが難しくなる時期。そんな中で、ネイルの時間が気持ちを整える切り替えのスイッチになっていたと、里咲しぐれさんは話してくれました。
「ここに来ると、肩の力が抜けるんです。必要以上に話しかけられることもないし、かといって放っておかれる感じもしない。このちょうどよさが心地よくて」と。
福岡アンドネイルは、時間に追われない施術スタイルを大切にしています。決まった枠に急いでお客様を詰め込むのではなく、その人にとって心地いい時間の流れを共有すること。それが、技術だけではない価値を提供できる場につながると信じています。
もちろん、最初から深い関係になれたわけではありません。少しずつ回数を重ねる中で、ネイルの話だけでなく、舞台の裏話や日々の小さな出来事まで話してくれるようになり、お互いの信頼が育っていきました。
P4|舞台の後は、屋台で語る。ネイルと人生の話
博多座の公演が終わった夜、ふとした流れで「少し飲みに行きませんか?」と誘ってくださったことがありました。行き先は、博多らしい雰囲気が味わえる中洲の屋台。観光客のにぎわいと、どこか懐かしい風情が漂う中で、スタッフも一緒にテーブルを囲みました。
普段は舞台上で凛とした姿を見せる里咲しぐれさんですが、この日は自然体のままで、お酒もほんの少し。焼きラーメンやおでんをつつきながら、日々のこと、仕事のこと、そしてネイルへのこだわりまで、ざっくばらんに話してくださいました。
「ネイルって、ただの飾りじゃないですよね。爪がきれいだと、自分がちゃんとしていられる気がするんです。舞台でも、日常でも」
その言葉に、私たちスタッフも深くうなずきました。職種は違えど、誰かに見られる仕事、そして自分の軸を保ちながら走り続けるという点では、ネイリストも舞台人も共通しています。福岡という街で、それぞれの分野で真剣に向き合っている女性同士、自然と心の距離が近づいていった瞬間でした。
このような出会いや時間が、サロンの雰囲気を育てていくのだと改めて感じさせられました。
P5|爪から整えるということ。仕事に向き合う女性たちへ
サロンに通い続けてくださる中で、里咲しぐれさんが何度も口にされていたのは、「ネイルは自分の立て直しに必要な時間」という言葉でした。
私たちの仕事は、お客様の見た目を整えるだけでなく、その奥にある気持ちの切り替えや、前向きな一歩を支えるものだと思っています。たとえば公演中のしぐれさんにとっては、舞台に立つ準備のひとつであり、自分をリセットする静かな時間だったのかもしれません。
福岡で働くネイリストとして、こうした役割を担えることに誇りを感じます。
一方で、仕事や転職に悩む女性たちにとっても、自分らしい働き方や環境を選ぶことはとても大切です。今の職場でどこか違和感がある、もっと自分を活かせる場所がある気がする…。そんな思いが少しでもあるなら、一度立ち止まって、自分を整える時間を持つことをおすすめします。
ネイルの時間は、自分のために使う数少ない静かな対話の時間かもしれません。そしてその小さなきっかけが、新しい選択につながることもあるのです。
P6|福岡で、自分らしく働ける場所を選ぶということ
舞台の世界で活躍する里咲しぐれさんとの出会いを通じて、私たちも改めて「仕事」と「自分らしさ」について考えるきっかけをもらいました。
ネイリストという仕事は、ただ技術を提供するだけではなく、その人の人生や時間に寄り添う力を持っています。丁寧に向き合えば向き合うほど、信頼され、必要とされる存在になれる。そんなやりがいが、日々の中にたくさん詰まっています。
福岡で働くということは、都会すぎず、でも十分な刺激と出会いがある環境の中で、自分のペースを大切にできるということ。お客様との距離が近く、仕事を通じて生まれるご縁も豊かです。
福岡アンドネイルでは、スタッフ一人ひとりの「こう働きたい」という気持ちを大切にしています。決められた枠にはめるのではなく、それぞれの個性やペースを尊重しながら、お客様にも丁寧に向き合えるようなサロンを目指しています。
もし、ネイリストとしての働き方に迷いがある方、転職を考えているけれど一歩踏み出せない方がいたら、「福岡で、こういう働き方もあるんだ」と、ほんの少しでも希望を感じてもらえたら嬉しいです。
おすすめ記事:【現場レポート】福岡の美容専門学生が体験したネイルサロンの仕事

P7|ご卒業のご連絡と再会。
ある日、しぐれさんから久しぶりに連絡が届きました。内容は、「宝塚を退団することになりました。今度福岡に行くので、また一緒に飲みましょう」という、あの頃と変わらない柔らかい誘いでした。
退団という言葉に、少し驚きと寂しさが混じったものの、それ以上に「自分の新しい道を進んでいるんだ」という前向きさを感じるメッセージに、胸が温かくなりました。
その夜は、以前と変わらず屋台で。ネイルや舞台の話ではなく、これからの人生や、今の自分が大切にしたいことについて、静かに語り合いました。舞台という世界を離れても、しぐれさんの凛とした雰囲気や、芯のある言葉遣いは何も変わっていませんでした。
「ネイルってね、今もやっぱり続けてるんです。派手じゃなくて、ただ爪を整えるだけでも、自分のリズムが戻ってくる気がして」
その言葉を聞いて、私たちがこの仕事を続けている意味が、また少し深まったように感じました。
ネイルは、見た目の華やかさだけでなく、その人の内側を整える力も持っています。退団という大きな節目を迎えた今もなお、ネイルが彼女にとって心のよりどころであり続けていることが、とても嬉しかったです。
おすすめ記事:ネイリストが辞めたくなる理由が大事。その先にある成長
P8|ネイルと私。しぐれさんに、改めて聞いてみたかったこと
退団後の再会をきっかけに、ふと、改めて聞いてみたいことがいくつか浮かびました。
これまで何度もサロンに来てくださっていたけれど、いつも舞台の合間で慌ただしく、お互いに聞けなかったこともたくさんありました。そこで今回、しぐれさんにネイルについて、そして私たちのサロンについて、少しだけインタビューの時間をいただきました。
――普段からネイルはお好きでしたか?
「好きでしたよ。でも宝塚に入ってからは、役柄や衣装に合わせることがほとんどだったので、自分の好みを出せる機会はあまりなかったですね。だから余計に、オフの日やサロンに行くときが、貴重な素の自分に戻れる時間だった気がします」
――初めて、福岡アンドネイルに来たきっかけは?
「博多座の近くで探していたんですが、あまりお店っぽすぎないところがいいなと思っていたんです。サイトの雰囲気も素朴で、なんとなく直感で決めました。実際に来てみたら、落ち着いた空気で、でもちゃんと技術があって。あ、ここ、安心できるなって」
――その後、舞台のたびに通ってくださって、一緒にお酒を飲みに行ったりもしましたね
「気づいたら、サロンに行くというより会いに行く感覚になっていました。ネイルの話だけじゃなくて、最近観た映画の話や、どうでもいいこともたくさん話せたからかな。なんだか友達のような、でもちゃんと信頼できる相手って、貴重ですよね」
――またいつでも、帰ってきてくださいね
「もちろん。ネイルしてもらうと、またちゃんと前を向けるんですよ。福岡に来るときは、絶対寄らせてもらいます」
P9|女性だけの世界で育ったからこそ、わかり合えること
――宝塚は女性だけの世界ですよね。ネイルサロンも、実は似た空気があると思うんです
「本当にそうですね。宝塚も、ネイルの世界も、周りは全部女性。その中で生きていくって、実はすごく繊細なことの積み重ねなんです」
しぐれさんは、そう言ってゆっくり頷きました。
「先輩・後輩の関係や空気の読み合い、遠慮と主張のバランス。女性社会って、丁寧で優しい一方で、感情のゆらぎにも敏感ですよね。だからこそ、ネイリストの方たちと話していると、ああ、わかるなって思うことが多いんです」
――ネイルを通して気持ちがほどけるようなこと、ありましたか?
「ありますよ。誰かに爪を整えてもらうって、どこかで心まで預けるような感覚になります。気持ちが弱ってるときは特に、何も言わなくても、やさしくしてもらえると涙が出そうになることもありました」
――ネイルを通して、自分に戻れる時間ということですね
「そうです。ステージに立ってる時は、どうしても役として過ごしてる時間のほうが長くて。でも、ネイルの時間は、素の自分に戻れる数少ない時間でした。静かに手を預けて、整えてもらいながら、だんだん自分のリズムに戻っていく感じ。それが、すごく安心できたんです」
同じ女性として、同じように人と関わる仕事を選び、それぞれの場所で頑張ってきたからこそ、しぐれさんと私たちネイリストとの間には、言葉以上の共感があったのかもしれません。
笑いながらそう答えてくれたしぐれさん。その表情は、舞台とはまた違う、ひとりの女性としての素直な美しさにあふれていました。また、いつの日かお会いできることを楽しみにお待ちしております。
宝塚歌劇団宙組の娘役、里咲しぐれさんについてご紹介いたします。
里咲しぐれさんは、宝塚歌劇団の96期生で、2010年に入団されました。入団以来、宙組に所属し、長年にわたり娘役として舞台に立ち続けていらっしゃいます。彼女の魅力は、華やかな容姿と安定した演技力に加え、舞台全体を支える柔軟性と包容力にあります。特定の役柄にとらわれず、作品や共演者に合わせて自在に変化できる点が、彼女の大きな強みとされています。
2021年の宙組公演『シャーロック・ホームズ―The Game Is Afoot!―』『Delicieux(デリシュー)!―甘美なる巴里―』では、スチール写真も販売されており、彼女の舞台での存在感が伺えます。
また、ファンの間では、彼女の「娘役らしさ」と「何にでもなれる強さ」を兼ね備えた存在感が評価されています。 特定の個性を前面に出すのではなく、作品や共演者を引き立てる役割を果たすことで、舞台全体の完成度を高める貴重な存在とされています。
宙組公演 『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』 | 宝塚歌劇公式ホームページ
P10|自分らしく働くって、きっとこういうこと
しぐれさんと出会い、何度もサロンに通っていただき、公演の合間に少しだけ深呼吸するような時間をともに過ごしてきました。お客様として、そしてひとりの女性として。彼女の生き方から、私たち自身もたくさんの気づきを受け取ってきたように思います。
舞台の上で生きてきた彼女が、退団という節目を迎え、新たな道を歩きはじめたように。ネイリストという仕事もまた、自分自身を映し出し、変化と成長を重ねていける仕事です。
どんな仕事にもプレッシャーや迷いはつきもの。けれど、自分に合った環境で、無理のないリズムで働けたら、それだけで毎日はずいぶん変わります。
福岡アンドネイルでは、ネイリストひとりひとりが自分らしく働けることを大切にしています。時間に追われず、お客様に向き合える。スタッフ同士も、思いやりと距離感を大切にしながら、穏やかに働ける空間です。
「いつかまた、ネイルを通して誰かの力になりたい」「手に職をつけて、長く続けられる仕事に出会いたい」
そんなふうに考えている方は、ぜひ一度、福岡アンドネイルのことを覗いてみてください。
私たちが大切にしている想いや、実際に働いているネイリストたちの声は、求人ページやお店紹介ページでもご紹介しています。
▶ 求人情報はこちら → https://fukuoka-job.jp/
▶ サロン紹介ページはこちら → https://www.nail414.jp/sp/
自分らしさを大切にしながら、誰かのきれいや安心を支える。そんな仕事を、福岡という街で、一緒にはじめてみませんか。

