ライフスタイル学び独立・開業ガイド経験談集

美容師はなぜ「続く仕事」になったのか|業務委託が定着しなかった理由

美容師

美容師はどうして「続く仕事」になったのか

業務委託が定着しなかった理由を、歴史から読み解く

ネイル業界とよく比較される職業に、美容師があります。
実はこの美容師という仕事も、最初から安定した職業だったわけではありません。
むしろ一時期は、今のネイル業界と同じような問題を多く抱えていました。

それでも美容師は、「長く続く仕事」へと姿を変えていきました。
その過程には、業務委託がなぜ定着しなかったのかを理解するヒントがあります。


美容師の原点も「個人完結型」だった

美容師の前身は、髪結いです。
そして洋髪が普及し始めた当初の美容師も、基本は個人商売でした。

・技術を覚えたら独立
・若いうちは修行と我慢
・稼げるかどうかは本人次第

「腕があれば生きていける」
この価値観は、長い間、美容業界の常識でした。


業務委託的な働き方が広がった時代

高度経済成長期からバブル期にかけて、
美容師業界では歩合制や独立前提の働き方が一気に広がります。

・売上連動型の報酬
・早期独立をあおる教育
・雇用より自由を優先

一見、夢のある働き方に見えました。
しかし現場では、別の現実が見えてきます。


続かなかった理由は「技術」ではなかった

離職が増えた理由は、下手だったからではありません。

・集客が不安定
・体力に依存する仕事
・年齢を重ねるほど不利
・家庭との両立が難しい

売れているうちはいい。
でも、売れなくなった瞬間に守ってくれるものがない。

この構造は、現在の業務委託ネイリストとほぼ同じです。


美容師業界が気づいた「限界」

業界が本格的に危機感を持ったのは、
若手が育たず、辞めていく流れが止まらなくなった時です。

・教育しても独立して辞める
・長く働く人が残らない
・業界全体の質が下がる

ここでようやく、美容師業界は気づきます。

「自由」だけでは、人は続かない。


美容師が選んだ道は「雇用と教育」

そこから美容師業界は、少しずつ方向を変えていきました。

・雇用を前提にしたサロン運営
・カリキュラム化された教育
・福利厚生や労働環境の整備

独立だけがゴールではなく、
「サロンで長く働く」という選択肢が整えられていきます。

この転換があったからこそ、
美容師は今も職業として成立しています。


業務委託が主流にならなかった理由

美容師業界では、業務委託という形態は残りました。
しかし、それが主流になることはありませんでした。

理由は明確です。

・教育と相性が悪い
・人が定着しない
・技術継承ができない

業務委託は「完成された個人」には向いています。
ですが、業界全体を支える仕組みにはなりませんでした。


ネイル業界との決定的な共通点

今、ネイル業界で起きていることは、
美容師がすでに通ってきた道です。

・早期独立を前提にした教育
・業務委託を理想とする風潮
・続かずに辞めていく人の多さ

これは個人の問題ではなく、
構造の問題です。


美容師が残した教訓

美容師の歴史が教えてくれるのは、
とてもシンプルなことです。

技術職は、
「個人の腕」だけに任せた瞬間に不安定になる。

だからこそ、

・雇用
・教育
・守られる仕組み

これを整えた業界だけが、
次の世代へ仕事を残していけます。

美容師

ネイル業界はいま、分岐点に立っている

美容師は、方向転換に時間がかかりました。
その間に、多くの人が辞めていきました。

ネイル業界は、
同じ遠回りをする必要はありません。

歴史を知れば、
どこで間違えやすいかは、すでに見えています。


この記事を監修した人
ネイルサロン代表/JNEC1級ネイリスト /ジェル検定上級/(JNA)ネイルサロン衛生管理士/(JNA)ネイルサロン技術管理者 /アメリカ政府認定 カリフォルニア州 マニキュアリスト ライセンス取得
YUNO

監修:田口裕子(通称 YUNO)
(株)アンドクリエーションズ:代表
ネイリスト協会正会員 番号(1-07636)
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ネイリスト歴28年
サロン運営歴24年
ネイルスクール講師歴19年

厚生労働省 認可サロン(第1017033号/指定番号103号)、
日本ネイリスト協会: 認定サロン(登録番号0723-001)を運営。

通称「YUNO先生」。福岡市内でサロンを経営し、専門校の非常勤講師15年を務めています。現場経験を活かしてスタッフ育成・教育・業務委託契約・独立支援など、サロン運営全般を担当。採用情報や開業を考えるネイリストに向けて、実務経験と業界知識に基づいた情報を監修しています。

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